医療の質・安全管理部

安全管理体制

病院長から

特定機能病院である山梨大学医学部附属病院には「我が国の医療の充実・発展に寄与する」という重要なミッションがあり、その達成に向けて戦略的に行動しつつ、先進的かつ高度な医療を地域に提供する必要があります。医療が高度化すればするほど、インシデント・医療事故は起こり得ますが、これらを未然に防ぐためには医療安全にも最大の注意を払う必要があります。そこで病院長の最初の仕事として、平成29年度版医療スタッフマニュアル(携帯版)をお届けします。

平成29年度の重点目標は、すべての職員が医療安全文化を共有して熟成して行くために「みんなで創ろう、安全文化」としました。サブテーマは、「1.患者間違いをなくそう」「2.インシデント報告について正しく理解しよう」です。ポケットマニュアル新規の内容として、「6R」の標語コンテストで選ばれた「かるがもたち」があります。「:患者さん(氏名)、:ルート(投与経路)、:含有量・施用量(施用量)、:目的(投与目的)、:タイム(時間)、:注射・内服名(薬剤名)」であり、当院での患者間違いを防ぐための6R標語として大いに活用してください。従来のインシデント報告とは別に、医療事故につながる可能性のある事象を把握するため、特別に「想定外報告」として報告していただく制度も新規の取り組みです。

当院の医療スタッフマニュアル(携帯版)は、平成12年に安全管理室が創設された翌年に第1版が作成されましたが、これは全国大学附属病院としては最初のものでした。当時から非常に優れた内容で他大学から高い評価を受けていましたが、毎年の更新によって現在のマニュアルの内容は ほぼ完成されています。全国に誇れる山梨大学の財産である医療スタッフマニュアル(携帯版)を常に利用していただき、安全で高度な医療を地域に提供できる特定機能病院を作りましょう。

 

平成29年4月  病院長 武田 正之 
(2017年度版 医療スタッフマニュアルより)

1.医療安全管理のための組織

当院では、病院長、安全担当副病院長(医療安全管理責任者)の下、医療の質・安全管理部を設置して医療安全に取り組んでいます。同部は、兼任医師1名(平成30年より専従医師配置予定)、専従のゼネラルリスクマネージャー5名(看護師4名、薬剤師1名)ほかにより構成され、多職種のチームで連携して活動しています。主な業務は以下の通りです。

・安全体制の整備

・医療事故等の防止策の立案と実施

・安全に関する教育・研修の企画と実施

・安全に関する院内各部門間の連絡、調整

・医療の質向上のためのモニタリング

また、安全管理委員会、4つの小委員会(医薬品安全小委員会、医療機器安全小委員会、医療行為安全小委員会、患者との関わり小委員会)、2つの部門(高難度新規医療技術、未承認新規医薬品)、様々なワーキンググループなどを組織し、全診療科・部署のリスクマネージャーが参加するリスクマネージャー会議を通じて、院内に「医療安全文化」を醸成させるよう努めています。

医療に係る安全管理のために下記の基本的事項を指針として定めており、病院玄関に掲示して患者さんに周知を図るとともに、医療スタッフマニュアルにも掲載して職員への周知を図っています。

図:組織図および主たる業務(PDF:41KB)

指針:安全管理指針(PDF:188KB)

 (1) 安全管理に関する基本的考え方

 (2) 安全管理委員会その他の組織に関する基本的事項

 (3) 安全管理のための職員研修に関する基本方針

 (4) 事故報告等の医療安全の確保を目的とした改善方策に関する基本方針

 (5) 医療事故等発生時の対応に関する基本方針

 (6) 職員と患者さんとの間の情報共有、患者さん等への指針の閲覧に関する基本方針

 (7) 患者さんからの相談への対応に関する基本方針

 (8) その他医療安全推進のために必要な基本方針

2.インシデントレポート等の報告システム

医療の質・安全管理部においては、オンラインによるインシデントレポート・想定外報告システムにより、院内で発生した事例や医療安全に係わる様々な情報を収集しています。各リスクマネージャーと情報を共有することにより、迅速な分析、対応に努めています。現在、毎月300件を超えるインシデントレポートが報告されており、重要な事例については詳細な状況報告書の提出を求め、原因の分析などを行って、医療事故等の防止に向けた具体的な施策を実施しています。また、院内の全ての死亡(死産)事例は、医療の質・安全管理部に報告されるとともに、病院長および安全管理委員会でのチェックを受けています。なお、医療事故等の公表については、国立大学附属病院医療安全管理協議会で定められた規定に従って対応しています。

3.安全管理マニュアルの作成

救急患者対応などの安全に関する院内共通ルールだけでなく、肺塞栓症等の特異的な病態の注意点などをまとめた「安全管理マニュアル」を作成し、各診療科・病棟・部門に配置しています。このマニュアルのうち特に重要なポイントを集約したものをポケット版の「医療スタッフマニュアル」として、平成13年度より毎年改訂して全職員に配布しています。

4.医療安全のための研修会等

職員の医療安全に対する知識や意識を向上させるために、感染制御部と連携して全病院職員を対象とした職員研修会を実施し、職員に年2回以上の参加を義務づけています。これらには、外部講師による講演会(年2回)、病棟・診療科・部門の取り組みを発表するための活動報告会(年2回)、様々なテーマでの院内講師による講演会、起こった事例を医師・看護師・コメディカル・事務職員がグループに分かれて討議する事例検討会などがあり、また新採用者及び中途採用者への医療安全にかかわるガイダンスや研修医を対象とした勉強会も実施しています。さらに、看護師や事務職員を対象としたBLS(一次救命処置)講習会も定期的に開催しています。

5.医療安全強化のための取り組み

医療安全のための重点目標を定め、年間を通して取り組むと共に、強化月間を設けて確実な実行に向けて取り組んでいます。平成29年度からは病棟間の相互チェックも実施する予定です。

6.啓蒙活動

毎月開催されるリスクマネージャー会議の内容は資料として院内に配布しています。また、随時「リスクマネージメントニュース」を発行して、医療安全情報を発信しています。これらは、リスクマネージャーを通じて個人単位にまで確実に伝達されたことを確認しています。

7.医療安全に係る監査委員会の設置

 

医療法施行規則第9条の23第1項第9号に基づき、山梨大学医学部附属病院の医療安全管理業務に関する状況を監査し、必要に応じて是正措置を講じるよう意見していただくために、「監査委員会」を設置しています。

【委員名簿】

委員名簿.jpg

 

(注)  委員の要件

   1.本院と利害関係のない、医療に係る安全管理又は法律に関する識見を有する者その他の学識経験を有する者

   2.本院と利害関係のない、医療を受ける者その他の医療従事者以外の者(1.に掲げる者を除く。)

 

   監査委員会結果報告書

     平成29年度 第1回 (平成29年8月1日公表)