乳癌に関して
初診の受診は、毎平日の午前中です。紹介状は必要ありません。受診日にマンモグラフィ、超音波、穿刺細胞診検査を行い、迅速に診断し、患者さんの心配を早期に解決したいと思います。患者さんから待ち時間が長いとの意見があります。これについては、当日可能な限りの検査を行い、迅速な診断と丁寧な説明を心掛けているため、多少の診療時間の延長はやむを得ず、ご容赦願いたいと思います。
乳癌の診断に関しては、マンモグラフィ読影認定医(A認定2人、B認定2人)によって、マンモグラフィ、超音波、細胞診、針生検、マンモトーム生検を行っています。
手術に関しては、可能な限り、乳房温存術とセンチネルリンパ節生検による腋窩郭清の省略を行っています。この生検を行うことによって、腕のむくみ、肩痛はなく、肩のリハビリの必要もありません 。
昨年の乳癌の手術件数は104例です。
甲状腺癌、副甲状腺疾患に関して
5mm以上の甲状腺癌を手術適応としています。手術後5日ほどで退院です。
昨年手術件数は甲状腺癌が26例、甲状腺良性腫瘍が5例、副甲状腺腺腫が8例でした。
肝臓
当科は日本肝胆膵外科学会の高度技能医修練施設(A)に指定されており、学会認定の高度技能指導医が診療および後進の指導にあったっています。肝臓外科部門では肝臓専門医でもある肝臓外科スタッフが肝細胞癌を中心に肝内胆管癌、肝門部胆管癌、転移性肝癌などの悪性腫瘍や巨大血管腫などの肝腫瘍に対して治療を行っています。治療法の中でも肝切除は最も根治的であり、ひとたび手術が最適と判断された場合は、安全に、最善の治療ができるよう最大の努力を払っています。また、これら難治性の癌に対して切除に加え、あらゆる治療のオプション(焼灼、動注、放射線)を総動員して治療を実施しています。最近の肝切除における赤血球輸血の頻度は8%以下で、合併症も極めて少なく、肝切除後の患者さんのほとんどが、術後2週間程度で退院しています。2005年9月には肝細胞癌に対する肝切除における術死、在院死0%の記録が10年に達しました。大腸癌や胃癌では集学的治療の一環として転移性肝癌に対して積極的に肝切除を行っています。最も症例の多い肝細胞癌については、肝細胞癌治療のガイドラインを遵守しつつ、肝切除が最も根治的な局所治療であるという外科の最大のメリットを生かし、肝機能評価と画像診断による切除量の正確な把握によって根治性を追求しつつ、安全に必要十分な手術を行なっています。さらに肝細胞癌の手術後はインターフェロンなどを用いた再発防止策を実施し、再発は厳重な経過観察で早期に発見し、再肝切除を含む積極的な再発治療を行っています。最近では、長期の内科的治療後に経皮的治療が困難となった症例に対する手術治療例も増加しています。切除困難例には、動注、全身化学療法や放射線治療を組み合わせた集学的治療を実施しています。
胆嚢・膵臓
胆道癌に対しては、手術のみならず化学療法、放射線療法(術中照射を含む)を組み合わせた集学的治療を行っています。手術不能症例に対する胆道ステント留置術は年間15-20例を経験しています。また、胆道形成異常を悪性腫瘍の発生母地と位置づけ、分流手術等の予防的治療を行っています。
膵臓癌に対しては、手術のみならず化学療法、放射線療法(術中照射を含む)を組み合わせた集学的治療を行っており、特に術中照射と術後放射線化学療法を組み合わせた集学的治療を施行しております。
上部消化管
上部消化管疾患上部消化管診療グループは、主に上部消化管(食道, 胃)の悪性疾患(ガン)に対して、手術療法を中心とした集学的治療の提供を実践しております。食道癌手術は年間約40-45例の手術数を経験しており、専門チームによる診療体系を展開しております。また、手術だけでなく、抗癌剤を用いた化学療法、放射線療法および免疫療法等を組み合わせた集学的治療を実践し、治療成績の向上に努力しております。また、新規癌治療の開発のため、食道癌に対する癌ワクチン療法の臨床試験を実践しており、食道癌治療に対する集学的治療を、研究・臨床の両面から積極的に取り組んでいます。胃癌手術症例数は年間約70~80例であり、胃癌治療ガイドラインに準じ、病期の正確な診断のもとに、QOL(quality of life)を保った必要かつ十分な手術を実践しております。近年、腹腔鏡補助下胃切除術(LADG)を含めた縮小手術を導入し、幽門保存胃切除術、噴門側胃切除術を含め、早期胃癌に対して癌の根治性とともにQOLの向上に寄与する手術法を提供しています。また、高度に進行した胃癌に対しても、多臓器合併切除、拡大リンパ節郭清を含め積極的な拡大手術を行い、さらに術前術後の抗癌剤治療を組み合わせ、治療成績の向上に努めております。また、胃全摘術後には、食事摂取の維持を目的とした空腸パウチ作製による再建法を標準術式として確立しており、胃全摘後のQOLの向上に寄与しております。
下部消化管
大腸癌に対する手術、術後の抗癌剤治療を中心に、炎症性腸疾患、肛門疾患、小腸腫瘍などの診療を行っています。専任看護師による人工肛門外来を行っています。