業務内容のご紹介
DNAの研究や技術の進歩で、さまざまな病気の診断が遺伝子レベルでできるようになり、これまで困難とされていた遺伝性疾患に対する薬物治療が始められています。また最近、薬を服用される患者さまの遺伝子を調べることで、その薬の効き具合や副作用の発生の有無などがわかるようになってきました。より身近な病気でも自分や自分の子孫に遺伝の可能性があるのか不安になることがあると思います。このような背景の下、山梨大学医学部附属病院に、県下初の遺伝子医療部門「遺伝子疾患診療センター」が開設されました。 従来の遺伝医療とは生まれつきの病気に関するご相談でしたが、遺伝相談の内容はかなり広がりました。最近の医療では、妊婦の血液検査にて行われる新型出生前診断(NIPT)や着床前の受精卵の遺伝学的検査が可能です。がんゲノム医療とはすなわち、より効果的な治療薬を選択するための方法としてがん組織の遺伝子検査を行うことです。がん遺伝子パネル検査では「がん関連遺伝子」の変異を一度に調べることができるため、偶然の結果として血縁者のがん発症に関わる可能性がある遺伝子変異が見つかることもあります。このような時にご本人や血縁者の皆様は将来の不安や疑問を抱かれることと思います。
遺伝子疾患診療とはすなわち、これらの最新の医療におけるご相談も含めて、患者本人やその家族に対して精密な情報の説明や心理面、社会面などの援助を行います。遺伝性疾患を有する患者さんやその家族の健康管理ステーションとして、包括的なフォローアップを目指しています。
具体的な診療内容
- 遺伝性疾患の診療
- 遺伝学的検査や染色体検査の説明と実施
- 疾患に関連した児童のこころの成長や教育に関する相談
- 遺伝に関するご相談や遺伝子医療一般へのご質問への対応
- 遺伝性腫瘍(がんなど)に関する相談と検査
などです。主な診療対象
下記を対象とした遺伝カウンセリング
・ダウン症候群、マルファン症候群、ウィリアムズ症候群や22q11.2欠失症候群などの遺伝性疾患や染色体異常症の診断や診療(生活や学習の相談などを含む)
・胎児における遺伝性疾患の有無に関する遺伝子や染色体に基づく診断(出生前診断のご相談)
・遺伝性腫瘍や神経難病などの遺伝性疾患の未発症家族に対する発症前の遺伝子や染色体に基づく診断(発症前断)のご相談
・聴覚障害に対する遺伝学的診断による将来の症状予測と支援に関するご相談
・パネル検査という全ゲノムの網羅的解析から偶然的に見つかる病的遺伝子変異(2次的所見)に対する血縁者のご相談
・身近にある疾患(糖尿病や精神疾患など)の遺伝や遺伝子に関するご相談
遺伝病というと若干暗いイメージがあるもしれませんが、センターのスタッフ一同、明るさと前向きさをモットーに、最新の遺伝医学知見をふまえた懇切丁寧な説明と最善の医療をご提供したいと考えております。また、幼少期から思春期、青年期と成長していくにあたり、疾患の特性を理解しながらより良い生活を送るための継続的な支援を行います。病気の遺伝に関してご心配をお持ちの方はお気軽にお越し下さい。
診療日と問い合わせ先
完全予約制(初診・再診)
毎週月曜日 13:00~17:00(遺伝子疾患診療センター)
場所は小児科の外来ですが、成人の方のご相談にも応じます。
紹介患者のみの受付となっておりますので、お近くの病院の先生に予約をお願いしてください。
電話:予約センター 055-273-9264・9815 または 病院代表 055-273-1111 より予約センター
なお、当院が定める遺伝カウンセリング料をいただく場合がありますことを、あらかじめご了承下さい。
IRUD(未診断疾患イニシアチブ)について
IRUD(未診断疾患イニシアチブ)とは、日本全国の診断がつかずに悩んでいる患者さん(未診断疾患患者)に対して、最先端の機器を用い遺伝子を幅広く調べ、その結果をほかの類似の患者さんの症状と照らし合わせることで、患者さんの少ない難病や、これまでに知られていない新しい疾患を診断しようとするプロジェクトです。
IRUDについてはこちらから
当院への相談についてはこちらから。
料金
1.遺伝カウンセリング料(自費診療)
□初回(1時間まで) 5,500円
□初回(1時間~1.5時間まで) 8,250円
□初回(1.5時間~2時間まで) 11,000円
□2回目以降(1時間まで) 3,300円
□2回目以降(1時間~1.5時間まで) 4,950円
□2回目以降(1.5時間~2時間まで) 6,600円
2.お薬の処方や検査がある場合は保険診療となります。
スタッフ紹介

役割 | センター長 |
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職種 | 特任教授 |
兼務・所属 | 産後ウェルビーイングセンター/ 総合がん診療部/ 遺伝子疾患診療センター |
卒業年 | H.5 |
専門領域 | 遺伝子・染色体疾患における神経発達症及び精神疾患、多因子疾患、緩和ケア |
資格 |
日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会臨床遺伝専門医(指導医) 精神保健指定医 日本精神神経学会専門医(指導医) 日本医師会認定産業医 精神腫瘍都道府県指導者 難病指定医 |

職種 | 特任准教授 |
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兼務・所属 | 産後ウェルビーイングセンター/ 遺伝子疾患診療センター / 地域周産期等医療学講座 |
卒業年 | H.7 |
専門領域 | 周産期医療、産婦人科一般 |
資格 |
日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会 臨床遺伝専門医 日本産婦人科学会専門医 日本周産期・新生児医学学会 周産期専門医 日本産婦人科学会指導医 |

職種 | 学部内・病院准教授 |
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兼務・所属 | 消化器外科、乳腺・内分泌外科(第一外科)/ 遺伝子疾患診療センター |
卒業年 | S.59 |
専門領域 | 乳腺外科 |
資格 |
日本外科学会専門医、指導医 日本乳癌学会乳腺専門医、乳腺指導医 日本家族性腫瘍学会 家族性腫瘍専門医 日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 マンモグラフィ読影認定 日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会専門医 |

(やがさき ひであき)
役割 | 新生児集中治療部 |
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職種 | 特任講師 |
兼務・所属 | 小児科/ 遺伝子疾患診療センター / (臨床研修センター兼任) |
卒業年 | H.12 |
専門領域 | 小児内分泌 小児糖尿病 新生児 臨床遺伝 |
資格 |
日本小児科学会専門医 日本内分泌学会内分泌代謝科(小児科)専門医 日本糖尿病学会専門医 日本周産期・新生児学会専門医 日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医・指導医 |

職種 | 助教 |
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兼務・所属 | 遺伝子疾患診療センター |
卒業年 | H.21 |
専門領域 | 生殖医療、産婦人科一般 |
資格 |
日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医 ]日本産科婦人科遺伝診療学会認定(周産期) 日本産科婦人科学会専門医 日本産科婦人科学会指導医 日本生殖医学会 生殖医療専門医 |

(なかやま ゆうこ)
職種 | 助教 |
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兼務・所属 | 遺伝子疾患診療センター / 消化器外科、乳腺・内分泌外科(第一外科) |
卒業年 | H.17 |
専門領域 | 乳腺 内分泌外科 |
資格 |
日本外科学会専門医、指導医 日本乳癌学会乳腺専門医、指導医 日本がん治療認定医機構認定医 |

職種 | 助教 |
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兼務・所属 | 頭頸部・耳鼻咽喉科/ 遺伝子疾患診療センター |
卒業年 | H.21 |
専門領域 | 耳鼻咽喉科一般 小児難聴 |
資格 | 日本耳鼻咽喉科学会指導医 |

(なるさわ ひろむね)
役割 | 新生児集中治療部 |
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職種 | 臨床助教 |
兼務・所属 | 小児科/ 新生児集中治療部/ 遺伝子疾患診療センター |
卒業年 | H24 |
専門領域 | 小児内分泌 |
資格 | 日本小児科専門医 |

(わたなべ だいすけ)
役割 | 新生児集中治療部 |
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職種 | 臨床助教 |
兼務・所属 | 小児科/ 新生児集中治療部/ 遺伝子疾患診療センター |
卒業年 | H24 |
専門領域 | 小児内分泌 |
資格 | 小児科専門医 |

役割 | 担当心理士 |
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職種 | 臨床心理士・公認心理師 |
兼務・所属 | 遺伝子疾患診療センター |
資格 |
臨床心理士・公認心理師 信州大学医学部看護学専攻・准教授 |

役割 | 担当心理士 |
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職種 | 臨床心理士・公認心理師 |
兼務・所属 | 遺伝子疾患診療センター |
資格 | 臨床心理士・公認心理師 |

役割 | 看護師 |
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兼務・所属 | 遺伝子疾患診療センター |
資格 | 看護師 |

兼務・所属 | 遺伝子疾患診療センター |
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資格 | 認定遺伝カウンセラー |

職種 | 教授 |
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兼務・所属 | 遺伝子疾患診療センター |
卒業年 | S.61 |
専門領域 | 公衆衛生学、人類遺伝学、疫学・分子遺伝疫学 |
資格 | 社会医学系専門医・指導医 |