山梨大学医学部附属病院

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地域医療機関との連携

慢性疾患をお持ちの患者さんに、より適切で効率的な診療を受けていただくことを目的として発足した慢性疾患診療支援システム研究会(英語名称Association for Research in Supporting System of Chronic Diseases、略称ARSSCD)が運営する慢性疾患診療支援システム(マイ健康レコードシステム)を紹介いたします。
このシステムでは生活習慣病などの慢性的治療を要する疾病を主な対象として、地域の医療機関が相互に連携し医療サービスが切れ目なく提供できる診療ネットワークを作成するとともに、複数の疾患を有する患者さんを包括的に管理できる体制の確立を目指しております。

マイ健康レコードシステムとは

このシステムは慢性疾患の診療を専門とする大学病院や多くの診療機関の医師、薬剤師、看護師などの医療関係者ならびに自治体、コンピュータ通信の専門家が協力して運営するもので、これまで1つの病院や診療機関単位で行っていた患者様の診療を参加診療機関がインターネットを用いてネットワークを形成し適切な診療を行うために必要な診療情報のエッセンスを共有することでより効率的で高いレベルの診療を行うものです。
さらに、慢性疾患の診療には患者さんご自身の診療への積極的参加が必要なため、ネットワーク上の診療データは患者様にも完全に公開することとしています。これにより患者様はご自身の診療内容が把握できるとともに、診療への意欲も高めることを目的としています。

ARSSCD 診療支援ネットワーク

なぜ慢性疾患診療支援システムが必要なのでしょうか?

慢性疾患とは、長期間の治療が必要な病気のことで、高血圧、糖尿病、肝炎、緑内障などを代表とします。高齢化が進む現在、多くの方々が慢性疾患にかかっているといわれています。慢性疾患は働き盛りの壮年期に発病することが多く、進行するとさまざまな障害が発生し、時には命にかかわることもありますが、多くの場合病気の初期から中期までは自覚症状が非常に乏しいことが特徴です。このために発見が遅れたり、発見されても、忙しい、治療の有効性が実感しにくいなどの理由で治療が中断されたりすることが多く見られます。
患者さんご自身がご自分の診療経過や診療内容を理解することは、適切な診療を行うことにとって非常に重要と考えられますが、診療記録(カルテ)は専門用語で記載されており、必ずしもご自分の診療経過や診療内容のご理解には適しておりません。
さらに、慢性疾患の適切な診療にはそれまでの治療経過が非常に重要ですが転居などにより担当医師や病院が変更された場合、治療経過が十分に引き継がれないことがあり、このため不十分な診療情報で治療を行うことを余儀なくされたり、重複する検査を施行されたりします。このことは、患者さんにはもちろん国や社会にとっても福祉や経済の面から非常に不利益です。
以上のような問題点に対応するために新しい診療支援システムが必要であると考えております。

慢性疾患診療支援システムは患者さんにとってどのような点がメリットなのでしょうか?

本システムでは1患者1カルテ(診療記録)の観点から、主要な診療データを受診される医療機関の間で共有することで、過去の他の医療機関における治療記録を参照にすることが可能ですので、より適切な診療を行うことが出来ます。また主要な診療経過を患者さん自らが確認することが出来るため、これまでとかく医師任せにしていたご自身の治療に関し、もっと積極的に携わることが可能となります。
また、現在病診連携が広く進められています。これは、地域の開業医などの診療機関と大学附属病院などの中核大規模病院との間で患者さんの診療を共同で行うことですが、医療データの共有はこの点でも重要です。
以上のことから、より効率的で安全性が高く経済的な医療を受けることが可能になると考えられます。

さらに詳しく知りたい方は慢性疾患診療支援システム研究会のホームページをご覧ください。
http://www.manseisien.jp