山梨大学医学部附属病院

山梨大学医学部附属病院病院の概要病院長挨拶

病院長挨拶

新年度のご挨拶 ー特に「新型コロナウイルス対策について」ー 
武田 正之(山梨大学医学部附属病院長)

 2017年から病院長を務め、2020年4月1日から2期4年目を迎えます。本来の専門領域は「泌尿器科」で、ロボット支援内視鏡下手術、前立腺癌、排尿障害、腎移植、などを担当していますが、2020年からは病院長に専念しています。
 当院の理念は「一人ひとりが満足できる病院」であり、目標は、「共に考える医療」、「質の高い安全な医療」、「快適な医療環境」、「効率のよい医療」、「良い医療人の育成」の5項目です。
 当院は「地域がん診療連携拠点病院」「エイズ治療拠点病院」「肝疾患診療連携拠点病院」「地域(高度)周産期母子医療センター」「難病医療拠点病院」「臨床修練指定病院(外国医師、外国歯科医師)」「山梨DMAT指定病院」「がんゲノム医療連携病院」「アレルギー疾患医療拠点病院」「関東甲信越地域小児がん連携病院」の指定を受けており、各科の壁を越えた集約的治療体制を整えております。

1.新型コロナウイルス(COVID-19)感染症対策について

 さて、新型コロナウイルス感染症は令和元年11月に中国湖北省武漢市から始まって世界160以上の国・地域に広がり、「パンデミック」となりました。この「パンデミック」とは、世界各地で同時多発的に感染症が人から人へと容易に伝染している状態を示します。令和2年3月6、7 に山梨県におけるそれぞれ第1、2例、3月24日に第3、4例の発症が確認されて、いずれも山梨大学医学部附属病院に入院しました。県内発症以外にも、山梨県知事および厚生労働省の依頼を受けて、令和2年2月19日にクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号乗客・乗員の感染者の受け入れを開始し、受け入れた合計7名の陽性者はすべて回復して退院しました。日本国内での患者数は、令和2年3月20日時点でクルーズ船関連を除いて純粋に日本国内発症数で約1,000名に達し、うち重症例が40名、死亡例が33名となりました。
 令和2年3月19日に新型コロナウイルスの対策に関する政府の専門家会議が開かれ、感染が拡大している地域は自粛要請の必要性を検討し、収束に向かっている地域ではリスクの低い活動から解除を検討するなどとした提言を取りまとめました。この中で現在の状況について、ー引き続き持ちこたえているものの、感染源のわからない患者が継続的に増加する地域が全国に拡大すれば、どこかで「オーバーシュート」と呼ばれる爆発的な感染拡大を伴う大規模流行につながりかねないーなどとする見解が示されました。そのうえで今後の対策は、地域の感染状況に応じて進めていく必要があるとしています。厚生労働省の推定式による山梨県での患者発生予測は、ピーク時1日当たり外来患者数2,850名、中等症の入院患者数1,500名、重症(集中治療室管理が必要、一部は人工呼吸器管理)50名であります。現在、こうした「オーバーシュート」にも対応できるように準備中であり、山梨県内外の感染者の治療と発熱外来や帰国者・接触者外来の対応なども含めて病院全体がOne TeamとなってCOVID-19対策に多忙を極めています。COVID-19がある程度落ち着くまでは、一般診療に影響を生ずるため、皆様方にはご迷惑をお掛けしますが、現在はまさに日本の存亡の危機であり、ご理解ください。

2.附属病院稼働状況と高度医療

 2019年も附属病院は順調に稼働しました。高度医療に関しては、山梨県内では当病院が唯一の認定施設である「経カテーテル大動脈弁留置術」(TAVI)が2017年10月にハイブリッド手術室で開始され、その後も順調に症例数を増やしています。
 2013年6月に県内最初に稼働した手術支援ロボット「ダビンチ®Si」を用いたロボット支援内視鏡下手術は、当初の前立腺がん根治術、腎がんの腎部分切除術以外に2018年度から新たに健康保険適用となった「胃がん」「肺がん」、「膀胱がん」「子宮がん」、「直腸がん」など多くの手術が標準手技となっています。さらに2019年5月に「ダビンチ®Si」から新たに最新型の手術支援ロボット「ダビンチ®Xi」と「ダビンチ®X」の2台に移行して順調に稼働しています。
 可動式3テスラMRI手術室における脳神経外科手術、国立大学附属病院では初めてO-アームを2台設置した整形外科ナビゲーション手術も当院の特徴であり、いずれも難しい脳腫瘍や脊椎外科手術に対する高度医療技術であります。

3.附属病院の再整備進捗状況

 2018年10月には新病棟Ⅱ期棟が着工し、2020年6月竣工、2020年10月開院を目指しています。その後は、中央診療棟・特殊診療棟の改修、新病棟Ⅲ期棟の建設、外来棟改修・増築の予定です。皆様には一時的にご迷惑をおかけすると思いますが、ご容赦ください。

4.入退院支援室について

 2017年1月から、予定手術入院患者の一部を対象とした「入院支援室」業務を旧形成外科医局の場所で開始し、2020年10月の第Ⅱ期病棟稼働時には、全予定入院患者を対象とし「入退院支援センター」と「周術期センター」機能を備えた「患者総合サポート部(仮称)」を設置します。

5.初期臨床研修医マッチング、新専門医制度による専門研修医マッチング結果

 2020年度の初期臨床研修医としてマッチングした医師は36名でマッチ率は85.7%(定員42名)、山梨県内での初期研修医は58名(マッチ率76.3%)でした。2020年度の県内3年目の専門医制度研修医師採用数は53名で、2019年度の57名とほぼ同等でした。これからも山梨県内の研修病院群と山梨県と協調しながら、初期臨床研修医と専門医制度研修医師を増加させ、将来の山梨県医療レベルの向上を目指して行く所存であります。

6.国家試験(医師、看護師)結果

 3月16日、19日に厚労省から発表された それぞれ2020年山梨大学医学部卒業生の医師および看護師国家試験成績についてお知らせします。

医師国家試験合格率: 全体97.4%、全国平均92.1%。
看護師国家試験合格率:全体96.8%、全国平均89.2%。
医師国家試験は全80大学8位、国立43大学中2位と過去最高の成績でした。

最後に

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束に向けての努力ばかりではなく、これまでと同様に「理想の大学病院」を目指した挑戦を続けますので、本年度もよろしくお願いいたします。

2020年4月1日
山梨大学医学部附属病院
病院長 武田 正之