リハビリテーション部

部門長挨拶

 山梨大学医学部附属病院は山梨県内唯一の特定機能病院であり、様々な難治疾患に対し高度な医療を提供しています。当院では抗がん剤などの化学治療や外科手術の前からリハビリテーション医療を行い、入院後の身体機能低下の予防を図ります。また休日も含めて手術翌日からリハビリテーションを開始し、患者さんの早期離床・早期社会復帰に寄与しています。
 病院再整備事業の一環で令和4年より旧リハビリテーション室の約3倍の面積を持つ新リハビリテーション室が整備され、同時に複数の患者さんが十分な距離を保って歩行訓練を行うことが出来ます。理学療法室や作業療法室、言語聴覚室、心臓リハビリ機能訓練室、水療法室があり、あらゆる診療科の患者さんに対応しています。
 令和5年度からは理学療法士15名、作業療法士5名、言語聴覚士2名に増員され、心疾患のある患者さんに対し外来での心臓リハビリテーションが始まりました。
 これからもリハビリテーション医療を必要とする患者さんに十分かつ安全なリハビリテーションを提供できるよう努めてまいります。

山梨大学医学部 リハビリテーション部 波呂浩孝

部門紹介

 本院は高度の医療を提供し、難しい手術や先進的な治療を行う役割の特定機能病院です。したがってリハビリテーションは病気や怪我の治療をしながら行う急性期リハビリテーションが中心となります。出来るだけ体の機能を損なわないようにベッドに横になっている早期から部屋で身体を動かしたり、リハビリテーション室で座る・立つ・歩くなどの基本動作を練習するのが特徴です。また、機能が損なわれないように行う予防的なリハビリテーションはあらゆる診療科において必要になる為、全科的に対応しています。リハビリテーション部では褥瘡対策チームの一員として病棟でのリハビリテーション指導を行い、呼吸療法士の認定を持つ理学療法士が呼吸理学療法の指導にもあたっています。さらに、生活習慣病予防の一環として運動療法を指導したり幅広く活動しています。

 リハビリテーション部は理学療法士23名、作業療法士7名、言語聴覚士5名で業務に当たっています。
 毎年、新入職員が入職しており、活気のある職場となっています。

【理学療法士】
 専門性の高い臨床・研究・教育に取り掛かるため、4チーム分かれて対応しています。

① 整形外科、腎臓内科、糖尿病内科、リウマチ膠原病内科、精神科を主に担当するチームです。整形外科が最も多く、脊椎・股関節・膝関節だけでなく骨・軟部腫瘍や小児整形等、幅広く対応しています。また、医師と共同での研究活動、手術見学等貴重な経験も可能です。透析中のリハビリ実施等。患者様の環境に合わせてリハビリテーションを実施しています。

② 脳神経外科、神経内科、呼吸器内科・外科を担当するチームです。ガイドライン作成に携わった医師のもとで臨床・勉強を行うことが可能です。また、懸架式トレッドミルやIVES®等、有効性が評価されている治療を随時導入しています。ICU入室患者等超急性期のリハビリテーションも展開し、早期介入・早期離床を実現しています。

③ 循環器内科、心臓血管外科の患者様に対し心臓リハビリテーションを実施するチームです。外来リハビリも実施しており、入院~外来まで包括的に対応可能です。また、実技指導や多職種への勉強会を積極的に実施し、チーム医療構築に貢献しています。大型商業施設等で対外的なイベントを実施する等、地域に根差した活動も行っています。

④ 血液腫瘍内科、小児科を担当するチームです。当院は山梨県で唯一血液腫瘍内科の診療を行っています。そのため、希少疾患への対応も可能です。小児科においても血液腫瘍から心疾患等、診療範囲は多岐に渡り多くの経験を積むことができます。血液腫瘍内科や小児科は他の診療科に比べ入院が長期化する傾向にあり、身体面だけでなく精神面への介入や環境。サービス調整等も積極的に実施します。

【作業療法士】
 整形外科、脳神経外科を中心に神経内科や小児科、がんリハビリテーション等に従事しています。チーム制ではないため、興味のある診療科をその都度担当することも可能であり、柔軟に働くことができます。ICU入室患者様に対するリハビリテーションにも徐々に力を入れており、活躍の幅を広げています。毎月勉強会・症例報告会を実施し先輩・後輩関係なく意見交換を行います。また、自助具等の開発にも取り組める可能性もあり、多角的に勉強することが可能です。

【言語聴覚士】
 対象は脳神経外科、神経内科を中心に整形外科、小児科、血液腫瘍内科等、多岐に渡ります。当院の強みは術前術後と高次脳機能障害や失語症に対して評価・訓練を行い、切れ間のない関わりを行っているところです。また、医師と共同でVF・VEといった嚥下機能評価を行い、円滑な経口摂取に向けて看護師と連携を図っています。ベテランスタッフが在籍し、充実したリハビリテーションを提供しています。

【今後について】
 患者様が早期に社会復帰できるよう患者様本位のリハビリテーションを提供することを基本とし、日々の臨床データの蓄積を臨床に活かせるよう積極的に研究活動を推進しています。また、各診療科と協力し、肝臓、腎臓、婦人科といった新たな分野のリハビリテーションを県内で推し進め、社会貢献に繋がるよう活動していきます。

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